
資格保有者がたくさんいるなら、
特別なメリットにはなりません。
なぜ資格を所有していても開業後にそれが特段メリットにならないかというと、それはその資格を所有している人がたくさんいるから。
たとえば行政書士の場合、試験に合格して行政書士の資格を手に入れた人は8万人もいます。一生懸命勉強して資格をとっても、ライバルが8万人もいるわけですから、そう簡単にお客さんが集まる訳ではありません。しかも行政書士試験の合格者は、毎年5千人以上。8万人のライバルが、毎年5千人ずつ増えてくるわけで、ますます開業後の成功はおぼつかないのです。
このように資格を取ったからといっても、その資格所有者がたくさんいる場合は、開業後にその資格が有利に働くというのはほとんど期待できません。上記の行政書士の例で言えば、試験に合格して8万人分の1になったとしても、それだけでは決して仕事は回ってこないのです。
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独立開業者むけワンポイントアドバイス
あなたが取得を考えている資格というのは、恐らく既にたくさんの合格者がいて、そして今年もたくさんの合格者が生まれると思います。たくさんのライバルが既にいて、これからもたくさんのライバルが毎年生まれるのです。
当然、せっかく開業してもそのライバルを前にして、資格だけでは勝負できません。いくら資格学校が甘い言葉をささやいたとしても、資格だけでは開業後の売上は保証されていないのです。
もしチャンスがあれば、すでに資格を取得して開業した人の話を聞いてみて下さい。おそらくほとんどの人が「資格だけでは食えない」という話をしてくれることと思います。ぜひ、資格のお勉強とは別に、営業の勉強をしておきましょう(営業スキルが開業成功の鍵)。これこそが、後悔しないために最も大切なことですから。