
司法書士試験が非常に難しいせいか、「資格があれば成功できる」と考えている人が少なくありません。資格取得は相当な努力を重ねた結果ですから、そのお気持ちもよくわかります。
しかし先ほども申し上げたとおり、司法書士事務所の数は年々増加中。難関資格とはいえ、年間約800名の司法書士が増えているのです。そのためお客さんを獲得する力がなければ、仕事が入って来ませんから、すぐに廃業することになってしまいます。それでは開業までに重ねてきた努力がすべて水の泡です。
司法書士の仕事で一番多いのは、不動産登記や商業登記。銀行や住宅メーカー等の紹介で仕事を得ることが多いのですが、ほとんどの場合、決まってお願いしている司法書士がいます。そのため、新規参入の事務所にはなかなか仕事が回って来ません。
それでは、新規参入の司法書士はどうすればよいのでしょうか。
独立開業者むけワンポイントアドバイス
司法書士の年収が1000万円以上と謳っている予備校や通信講座があるせいか、開業すれば簡単に高収入が得られると誤解されている方のお話をよく耳にします。しかし、「開業すれば食べていける」なんて甘いことはありません。看板をかかげているだけではお客さんはやってきてくれないのです。
開業すれば、司法書士としての実務の実力だけでなく、経営者としての手腕も求められます。特に開業直後はお一人で全てをこなさなければなりません。営業スキル・経理のスキル等は司法書士の資格とは全く関係がありませんから、こちらも一から勉強することをおすすめします。