
全国の税理士登録者数は、毎年増え続けています。2005年には68,642名だった登録者数も2013年には73,725名と、8年間で約5,000名も税理士が増えているのです。つまりそれだけ競争が毎年激化している、ということ。
国内の企業の数はこの20年間、ほぼ横ばいですから、税理士事務所が増えれば、一事務所あたりの企業数は少なくなります。
事務所が増えて競争が激しくなると始まるのが、価格の引き下げ競争。税理士の顧問料や決算報酬を引き下げて、クライアントを増やそうとする事務所が出てくるのです。そのため、顧問先を他の事務所に奪われたり、自分の報酬を引き下げざるをえなくなる事務所が出てきます。
その結果、税理士事務所の所得は二極化が進んでいるのが現実です。年収が2000万円を超える税理士もいれば、年間所得が300万円を切っている事務所も多数いるとのこと。これでは経費を勘案すると生活するのがやっとの税理士も少なくありません。
営業力がなくてお客さんがなかなか集められない事務所は、どうしてもこういう事態に陥ってしまうのです。
独立開業者むけワンポイントアドバイス
独立開業した事務所の約90%が、開業後5年以内に廃業に追い込まれるそうです。これを聞くだけで、事務所の経営がどれほど難しいことかお分かりいただけると思います。
税理士としての実務の実力は当然不可欠ですが、それだけでは激しい競争を生き抜けません。独立開業するということは、経営者としての手腕も求められるのです。
それは、税理士資格の勉強では学ばないこと。営業方法や経理について等、全く別物としていちから学ぶことをお勧めします。