開業志望者の質問で多いのが、「将来起業したいんですが、どんな資格をとっておけばよ良いでしょうか」というもの。はたして独立開業する際に、事前に資格を取得しておく必要はあるのでしょうか?

資格と開業はほとんど関係ない 

「開業する際に少しでも有利になるように、何らかの資格を事前に手に入れておきたい」という気持ちはよく分かります。

でも資格と開業はほとんど関係ありません。独立開業するだけだったら、資格がなくてもスタートできます。サラリーマンを辞めて、今日から自分一人で商売を始めたら、それが立派な独立開業。会社勤めをやめて、自分がトップとしてビジネスを始めることを、独立開業と呼ぶのです。

そして会社を辞めて商売を始めるのに、資格は必ずしも必要ありません。資格がなくてもできる商売はたくさんありますから、もし何も資格を取得していなかったとしても、独立開業するだけだったらまったく問題ありません。

あなたが資格を取得する目的は?

それでは、資格を取得する目的は何なのでしょう。たしかに開業するだけであれば、資格がなくても問題ありません。でも「資格が必要な業務」を行うためには、資格を取得することが義務づけられています。

たとえば、医療行為を行うためには、「医師免許」という資格が必要です。この「医師免許」がないまま医療行為を行うと、医師法違反で逮捕されてしまいます。あるいは、喫茶店を開業しようと思えば「食品衛生責任者」という資格がないと保健所の許可がおりませんし、鍼灸の治療院を開業するには「鍼灸師」の資格が必要になります。

つまり、「開業するために資格が必要」なのではなく、「特定の業務において、開業に必要な資格がある」ということなのです。

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やりたい仕事はなにか、
まずはそれを考えましょう。 

したがって、「開業のために資格を取ろう」と思うのはあまり意味がありません。そうではなくて「○○の仕事を将来やりたいので、そのために必要な資格をあらかじめ取っておこう」という風に考えましょう。

資格ありきで開業を考えるのではなく、起業後にやりたい仕事をまずは考えるのです。そしてその仕事に資格が必要であれば、それを取得しましょう。

もしあなたのやりたい仕事に資格が必要とされないのであれば、忙しい中、わざわざ資格を取得する必要はありません。

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お客さんを集めるには、

資格とは別に営業スキルが必要。 

一方、独立開業予定の方から、「資格を取っておくと、起業した後に有利でしょうか」という質問もよくいただきます。

これもお気持ちはよく分かるのですが、一生懸命に資格をとっても、開業後にその資格が有利に働くかというと、あまり関係ないケースがほとんどです。

もちろん開業に際して法的に必要な資格は取得しなければいけません。たとえば、税理士として開業したいのなら「税理士」の資格が必要です。でも税理士の資格を取ったからと言って、開業後に仕事がたくさん舞い込んでくるかというと、そんなことはないのです。「税理士」という資格と、開業後の売上には、何の関係もありません。

他にも、独立後に有利になると思って「行政書士」や「社会保険労務士」の資格を取ろうと考える人も多いのですが、これも同じです。「行政書士」や「社会保険労務士」の仕事をするには資格を取るのが必須なのですが、資格を取って開業しても、それだけではお客さんはやってきません。

資格とは別に、

「営業」のスキル

がないと開業後の売上は立たないのです。

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資格保有者がたくさんいるなら、
特別なメリットにはなりません。 

なぜ資格を所有していても開業後にそれが特段メリットにならないかというと、それはその資格を所有している人がたくさんいるから。

たとえば行政書士の場合、試験に合格して行政書士の資格を手に入れた人は8万人もいます。一生懸命勉強して資格をとっても、ライバルが8万人もいるわけですから、そう簡単にお客さんが集まる訳ではありません。しかも行政書士試験の合格者は、毎年5千人以上。8万人のライバルが、毎年5千人ずつ増えてくるわけで、ますます開業後の成功はおぼつかないのです。

このように資格を取ったからといっても、その資格所有者がたくさんいる場合は、開業後にその資格が有利に働くというのはほとんど期待できません。上記の行政書士の例で言えば、試験に合格して8万人分の1になったとしても、それだけでは決して仕事は回ってこないのです。

なぜ個人事業主の開業は失敗するのか?」はこちら

お客さんは、資格以外の何かで
仕事の依頼先を決めるのです。 

そもそもお客さんは、資格を保有していることにそれほど価値を認めてくれません。その仕事をする以上、資格を保有しているのは当然であり、最低条件にすぎないのです。

お客さんは多くの資格保有者の中で、「資格以外の何か」で仕事の依頼先を決めます。

たとえば多くの行政書士の中で、どの人に仕事を頼むかというと、人柄だったり、実績だったり、あるいは誰かの紹介であったり、資格以外の何かで選びます。鍼灸治療院を選ぶのも、鍼灸の資格を持っているのは当然で、それ以外に院長の技術や人柄、院内の内装や受付の応対、チラシやタウン誌の広告、といった、鍼灸の資格以外の要素で、どこに行くかを決めるのです。

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資格を取るのは、スタートラインに
過ぎません。

もちろん資格のない人は選ばれない(サービスを提供できない)ですから、資格を取ることは必要です。

でも資格を取るのは、あくまでもスタートラインに立つにすぎません。資格が必要な業務で資格を取っただけですから、その業務をスタートできる権利を手に入れただけなのです。

開業した後に成功できるかどうかは、その資格とは何の関係もありません。言い方を変えれば、資格の取得は、すでに資格を保有している同業ライバルと同じ土俵に上れたという状態にすぎません。

その土俵の上で先輩資格保有者と勝負していくには、資格以外の何かが必要。自分なりの得意技を磨かない限り、その土俵に残ることはできません。すぐにその土俵から押し出されて、廃業の憂き目にあってしまうのです。

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資格以外に必要なもの、
それは営業スキル
です。 

以上、資格と開業後の成功には何の関係もないことがお分かりいただけたと思うのですが、それでは開業後の成功を決めるのは何でしょうか?

開業後の成功を左右する要因は色々あるのですが、私が一番重要だと思うのは「営業スキル」です。開業後にお客さんをたくさん集めてお仕事をいただくためには、営業スキルが欠かせません。

開業予定者の中には、営業経験がないので、それを補うために資格を取得しようと考える人も多いのですが、営業スキルを資格で補うことはできません。営業スキルは開業後の売上を確保するための必須条件ですから、資格とは別に営業スキルの習得に努めることを強くお勧めします。

極端な話、資格が一切なかったとしても、営業スキルに秀でていれば開業後の成功は約束されたようなもの。逆にいくら難しい資格を取得しても、営業スキルがなければ、開業後すぐに廃業してしまうことでしょう。

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開業前に営業スキルを
身に付けましょう。

資格を取得して開業しても、1〜2年で廃業し、開業に失敗する人が少なくないのですが、それはひとえに「営業スキル」がないからです。

開業者の中には、お客さんを集めるためと称して、次から次への資格取得に努める人がいますが、これは完全な間違い。営業スキルさえあれば、一つの資格で、あるいは資格がなかったとしても、開業後にたくさんのお客さんからお仕事をいただけます

ですから、ぜひ開業するまでに「営業」について学ぶことを強くお勧めします。営業スキルなしに開業するのは、廃業への最短ルートですから、必ず開業するまでに営業スキルを身につけておきましょう。

以下のページで開業者に必要な営業について解説していますので、ぜひアクセスして営業のポイントを学んでみてください。

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代表取締役 吉本俊宏

私も開業では大変苦労し、廃業寸前に追い込まれた経験があります。このサイトでは、私自身が廃業の瀬戸際で見つけた「開業の成功ノウハウ」をお話しします。

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